書籍「プレゼンテーション・パターン」で紹介されているTEDへのリンク集

聴き手にとって「価値あるプレゼンテーション」とは何だろう?

書籍「プレゼンテーション・パターン」では、価値あるプレゼンとは「聴き手が新しい発想や発見を生み出すきっかけを得ること」とし、それを実現するための33のポイント(パターン)を平易にまとめている。

ともするとおざなりになってしまうプレゼンの準備だが、この本はいいガイド役になりそうだ。「何のためのプレゼンなの?」という問いを、何度も自分に投げかけ、最後まで手を抜かずに磨き上げられるようになる。

無料の「カタログ版」も公開されているが、書籍だと直線的に全てのパターンを学べるため、パターン間のつながりをより理解しやすい。

書籍では、それぞれのパターンの好例としてTEDのプレゼンを紹介している。アクセスしやすいよう、TEDへのリンクを抜き出してまとめてみた。

No.7 メリハリ Dramatic Modulation 変化に富むリズムで、時間展開をデザインする。

「メリハリ」をつけて語るのがうまい人に、ダニエル・ピンクがいます。さすがに副大統領(アル・ゴア)のスピーチライターをしていただけあって、とても印象に残る語り方をします。彼のTEDトーク「やる気に関する驚きの科学」などを見ると、「強弱」や「スピード」と「間」、「繰り返し」をどのように入れると効果的かを学ぶことができます。(「プレゼンテーション・パターン」p.44)

No.8 驚きの展開 Unexpected Evolution ときには、聴き手の予想の外側へ。

さらに、プレゼンテーションの最後に、意外性を入れることもできます。「実は…」というかたちで、ある種のオチをつけるという終わり方です。ただし、ここでも内容や印象を損ねるような意外性は御法度です。これまで聴き手がプレゼンテーションを聴いてきたことを台無しにしてしまうからです。そうではなく、プレゼンテーションの内容を強化するように入れることが大切なのです。この好例としては、グレアム・ヒルのTEDトーク「モノは少なく、幸せは大きく」があります。実際は見ていただきたいので具体的には書きませんが、最後のシーンで「実は、この箱は…」と意外性を組み込んでいます。プレゼンテーションの内容を損なわずに強化し、とても印象的になっています。(「プレゼンテーション・パターン」p.47-48)

No.12 魅力のちょい足し Slite Enchantment ちょっとした魔法で、世界がまったく変わって見える。

過去の自分についてのエピソードに「笑い」や「弱さ」を加えて「魅力のちょい足し」をしているものにエリック・ウィテカーのTEDトーク「バーチャル合唱団2000人の声」があります。どのようなものかは実際に見ていただくのが一番ですが、この講演の後半には、「こだわり抜いたつくり込み」も登場するので、その部分もぜ味わってみてください。(「プレゼンテーション・パターン」p.63-64)

No.13 イメージの架け橋 Imagination Bridge 喩えや例をつかってわかりやすく。

ここで一つ、「イメージの架け橋」を見事に行っている実例を紹介しましょう。ハンス・ロスリングのTEDトーク「増え続ける世界人口」です。この講演で彼は、人口の規模を「箱」(衣装ケース)を使ってわかりやすく説明しました。一つの箱を十億人とし、その数を増やすことで人口成長を表し、位置を変えることで経済発展の度合いを示しました。さらに、経済の成熟度をイメージしやすくするために、車や飛行機の模型も持ち出します。こおように、人口規模や経済発展というつかみどころのない概念を、わかりやすいメタファーや具体例を用いることで、誰にとっても理解しやすいものにしました。まさに聴き手との間に「イメージの架け橋」つくっているのです。彼の魅せ方が巧みなのは、最初に「箱」という身近なものを用いて大づかみのイメージを持ってもらった後に、アニメーションによって世界人口の変化の動きを感じてもらうという構成になっている点です。わかりやすい静的(スタティック)なイメージから始めて、動的(ダイナミック)なイメージへと進めていく点など、実に巧みです。(「プレゼンテーション・パターン」p.71-72)

No.14 リアリティの演出 Reality Sharing つかみきれない「感覚」を届ける。

「リアリティの演出」の例に、デレク・シヴァーズのTEDトーク「ムーブメントの起こし方」があります。彼はリーダーとフォロワーの関係という話を、一つの映像を見せながら語っていきます。三分間のトークのなかで文字は一切登場せず、映像だけを使って、とても実感しやすいプレゼンテーションになっています。(「プレゼンテーション・パターン」p.75)

もう一つ、デブ・ロイのTEDトーク「はじめて言えたとき」も「リアリティの演出」がふんだんに行われています。この講演で取り上げられている彼の研究は、その発想もアプローチもかなりユニークで突き抜けています。突き抜けているがゆえに、研究手法や研究成果の説明を聴くだけでは、なかなかイメージすることができません。彼のプレゼンテーションがすばらしいのは、魅せ方にも相当こだわり、リアルに感じてもらうための工夫をふんだんにしていることです。たとえば、部屋のあちこちにビデオカメラを設置したという「説明」だけでなく、その録画映像をすべて概観できるようにして見せたり、部屋のどの部分でどの言葉が多く発せられたのかというランドスケープ(地形)を、実際の映像や音声とともに見せたりと、かなりイメージしやすくなるように表現してくれています。(「プレゼンテーション・パターン」p.75-76)

No.20 きっかけスイッチ Boot Switch 次の行動に移すためのきっかけづくり。

「きっかけスイッチ」の例として取り上げたいのは、ミック・エベリングのTEDトーク「体の不自由なアーティストに自由を与える発明」です。彼の話は、身体が不自由になったアーティストが再びアートを始められる装置の開発に成功したという、とても素敵な実話です。しかし、彼はこのプレゼンテーションを自分のプロジェクトの紹介では終わらせませんでした。最後のシーンで、聴き手に「不可能に思えることに出会ったら、それを可能にしよう」(If you see something that’s not possible, make it possible.)と語りかけます。そして「今でないとしたら、いつなんだ?自分がやらなければ、誰がやるんだ?」(If not now, then when? If not me, then who?)と自分に問いかけるようにしてほしい、と訴えかけます。これが彼の「メインメッセージ」です。この締めくくりによって、それまで語ってきた話が「世界のどこかで起きた素敵な実話」ではなくなり、「不可能に思えることを可能にした」事例の一つになりました。プレゼンテーションの最後にこのような捉え直しをすることで、聴き手の「きっかけスイッチ」を押したのです。(「プレゼンテーション・パターン」p99-100)

No.25 キャスト魂 Presentership 立ち振る舞いもプレゼンテーションの一部である。

このような「キャスト魂」を感じさせてくれるのが、スーザン・ケインのTEDトーク「内向的な人のパワー」です。彼女曰く、彼女自身が「内向的」なのですが、「キャスト魂」をしっかり持って、見事に講演をしています。(「プレゼンテーション・パターン」p.124)

No.28 世界への導き World Invitation 徹底した世界観が聞き手の感動を生む。

「世界への導き」の好例に、ジル・ボルティ・テイラーのTEDトーク「脳卒中を語る」があります。脳の研究者である彼女は、ある時自分が脳卒中になってしまいます。そのときの珍しい体験について、彼女は「キャスト魂」がこもった圧巻の「ストーリーテリング」によって語ってくれます。プレゼンテーションの冒頭で、日常的な話と科学者であることを印象づけて、入りやすい「入口」をつくっています。その後は、彼女の体験した「世界」へと聴き手を導いていきます。とても引き込まれるプレゼンテーションなので、まだ見たことがない方はぜひ見てみてください。(「プレゼンテーション・パターン」p.136)

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